ポスター印刷のコラム記事

『2012年度 第61回 朝日広告賞』 の受賞ポスター

朝日新聞主催の広告賞『2012年度第61回朝日広告賞』の受賞作品が発表されました。

これは、新聞広告の発展と広告制作関係者やそれを目指す人たちのために作られた賞で、『一般公募の部』と『広告主参加の部』の2部門に分かれています。『一般公募の部』は広告主の課題に沿って製作されたポスターで、個性的な作品の中から20点の入賞作品が紹介されました。

目を引くのは、なんといっても朝日広告賞を受賞した大日本除虫菊の課題「禁鳥の渦巻」のポスターです。蚊取り線香で有名な「キンチョー」のポスターですが、これを受賞したポスターは、下着姿の若い女性なのです。

グラビアアイドルと間違えそうな女性の姿は、一見蚊取り線香とは全く関係の無さそうなのですが、それを短いコピーが関連付けています。

『キンチョーは、
美容の会社かも
しれないと思った。』

わずか3行の短いコピーは、このポスターが表現したいことをはっきりさせています。

これを製作したのは、フリーランスの4人組です。デザイナー、編集者、カメラマン、コピーライターの4人がおのおのの分野で力を発揮しました。モデルの女性はプロではなく、知人の素人女性だそうです。どこかレトロな感じも漂わすこのポスターには不思議な魅力があります。下着姿なのにいやらしい感じがありません。それはこの女性の表情のせいなのか、痩せすぎていない体型のせいなのかよくわかりませんが、つい見入ってしまう仕上がりになっています。

ポスターには発信したいメッセージがあります。注目を集めることができるポスターであること、それはとても大切なことです。