虫眼鏡で見てみよう-コロタイプ印刷の美しい仕上がり

現在、雑誌やパンフレット、チラシなどのカラー印刷では、多くの場合「オフセット印刷」が使われています。

この印刷の特徴は、印刷された部分を虫眼鏡や顕微鏡などで拡大してみるとよくわかります。様々な色やその濃淡が、小さな点々の集まりで表現されているのです。これは「網点」といい、モノクロ印刷では点の大きさや、丸・四角といった形の組み合わせで、またカラー印刷ではシアン(青)・マゼンタ(赤)・イエロー(黄色)・ブラック(黒)の四色を組み合わせることで、濃淡や色を表現しているのです。現在では、一般家庭にもパソコン用のプリンターが普及し、その多くはインクジェット式で、この四色のインクを使うものが多いので、原理はわかりやすいかと思います。

オフセット印刷が普及する前には、「コロタイプ」または「アートタイプ」と呼ばれる印刷版が使われていました。フランスで生まれた技術ですが、ガラスの板を使用するので日本においては「玻璃版」とも呼ばれていました。このコロタイプ印刷では、いくら拡大してみても網点が見えません。そのため非常になめらかな質感が出るのが特徴です。

ではコロタイプ印刷ではどのように色や濃淡をつくりだしているかというと、「連続階調」によって表現しているのです。青・赤・黄・黒の四色を使うのは同じですが、こまかい点にして配置するのではなく、必要なだけ色を作り、色ごとに版を作って印刷するのです。

これは言うまでもなく熟練の技術と、多大な手間が必要となる印刷方法です。そのため、今ではほとんど使われていませんが、一部の企業がその美しい出来上がりを保存すべく、積極的にその技術の継承を行なっています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご注文サイト  

関連記事

ご注文サイト

おすすめ記事

  1. ポスターといえば掲載されている商品や情報を一目で魅力的に見せ、ユーザーに対しての訴求を行うための媒体…
  2. ネット広告から見たポスターの効果性 今ではインターネットなどが普及したので、インターネット上で情報…
  3. ポスターの役割とは何でしょうか?それは,不特定多数の人に何らかの情報を伝えることにあります。ポスター…
  4. インターネットの発達などにより、最近は商品のPRもポスターだけにたよる時代ではなくなってきました。し…
  5. プリンターというもので大きな問題になるのがインクに関してです。プリンターそのものはお値段的にはそう高…

話題をチェック!

  1. 2015/4/7

    インテリアとしてのポスターの魅力

    ポスターというと商品やイベントの宣伝として、街中やショッピングセンターなどの壁に貼られているものとい…
  2. 2014/12/30

    ポスターの作り方はその目的や使用方法によって異なるもの

    ポスターには印象に残るフレーズやイラストが必要 同じ広告ポスターであっても店内や電車の中吊りなどに…
  3. 2015/7/21

    電子化が進む中でも印刷された『紙』による情報はなくならない

    電子化が進んだ現代ではインターネットの急速な普及と共に、携帯端末の進歩が進んでいます。当然それに合わ…
  4. 2015/7/1

    ポスター制作に欠かせない上手な余白の用い方

    ポスターを作成する上でポイントとなることの一つに「余白」の利用があります。限られた紙面いっぱいにあれ…
  5. 2015/6/5

    マーケティング活動としてのポスターの効果性を測定する方法

    ポスターとは、わたしたちが日常生活で目にしないことはないと言っていいほど広く普及した媒体です。辞書に…
ページ上部へ戻る