適切な印刷依頼方法と印刷業界の生き残り

印刷の技術は革新的に進歩しています。昔は活版や写真製版など、版下と呼ばれる物を技術者が手作業で作成し印刷の版を作っていたのですが、その部分がパソコンによる作業に変わりました。パソコンのソフトでデータを作り機械へ送信すると、印刷機用の版がすぐ出てくるのです。これによって工程的にも、料金的にも、非常に手軽になりました。

パソコンソフトでのデータ作成は印刷会社にまかせることもできますが、お客さんが自分で作成することも可能フォトショップイラストレーターなどは、一般の方にも普及していますね。そういったソフトで作成したデータを、そのまま印刷会社に渡して印刷してもらうことも可能です。

ただ、気をつけたい点が幾つかあります。作成ソフトやパソコンのバージョン、使ったフォントの名前などを印刷会社に伝えましょう。印刷依頼書というものにチェック項目がありまして、記入して提出します。作り方によっては色身が変わったり、思った通りの出力にならない場合がありますので、気になる方は印刷会社に相談してみましょう。

PDFでも入稿できます。印刷用に適した規格というのがありますので、そちらで保存して入稿すると安心です。PDF/X-1aか、PDF/X-4で書き出しして入稿するとよいです。PDF/X-4のほうは、透明効果や色の設定など自由度が上がっているのですが、印刷会社が対応していない場合もありますので、事前に聞いてみましょう。

ワードエクセルなどで作成したデータも、そのまま印刷してもらうことが可能です。フォントを埋め込んだPDFにして入稿するか、そのままデータを渡してもいいでしょう。その場合は、やはりOSやソフトのバージョンを伝えておいたほうが望ましいですね。トラブルが減ります。

さて、これまで質や量とも情報の媒体として圧倒的なシェアをもっていた印刷の分野ですが、パソコンやインターネット、携帯電話などの登場で媒体として新しいデジタルの分野がシェアを伸ばし進出してきました。

そのためここ数年、紙媒体を含めた印刷業界としてはかなり厳しい状態が続いているといえます。ただ、だからと言って直ちに今まで印刷されていたものがすっかりデジタル化されて無くなるというものではありません。印刷業界における印刷技術の進化もあり、紙以外の印刷の方向性や、デジタルにない部分での印刷の価値を上げているところも見受けられます。

特に書籍などの印刷は革命と言っていいほどデジタル化が進もうとしています。紙に印刷された本で読むメリットもありますが、保管や検索、整理といったところではデジタル化のほうが圧倒的に有利には違いありません。このデジタルのメリットに対して印刷のメリットをどれだけ強化していけるかが生き残りのポイントになってくるのだと思います。デジタルで読む本というのは、本当に文字情報だけで均質なものになってしまうだろうと考えられます。その点、印刷による表現は印刷される本や紙などのサイズから、厚み、手触り、紙質、風合いなど個性を存分に表現することができ、また書体などもデジタルだとフォントがインストールされていなければ表現できなかったりする場合もありますが、紙媒体だと印刷段階で表現できます。

そういう点からも印刷の未来は淘汰を続けながらもしっかりと生き残る分野であるとうことには違いありません。

現在、急速にテクノロジーの進歩が進み、技術はクローズ化した専門分野を取り残して進んで行こうとしています。各地に点在していた印刷専門店は、ここ10年で目に見えて減少してしまいました。
その原因は優れた能力を持ち、安価でオフィスに登場する事となったコピー機や複合機、そしてそれとパソコンを簡単に連携させる事が出来る屋内LANの存在です。これにより、各々の会社はわざわざ印刷屋さんに発注しなくても、自分達の会社で好きなように、安価に専用用紙をデザイン、印刷する事が可能となりました。チラシやカタログもよほど上質な物を望まない限り自分達で作れてしまうのです。
この変化によって、多くの小規模な印刷店は仕事を無くし、失業せざるを得ませんでした。更に大規模な印刷業界にも逆風は続きます。インターネットの発達により、電子書籍が業界の予想を超えた速度で一般の人々に浸透し始めたのです。書籍印刷業界の危機です。
もちろん現物を手にする事を重んじる人がいなくなる訳ではないので、書籍の需要が消える事は無いでしょうが、大きく需要を減らすのはまず間違いないでしょう。
今、印刷業界は大きな転換期を迎えていると言って良いでしょう。この逆風を坂手に取って大きく発展出来るかどうか、それが今後の印刷業界の発展の要だと思われます。
人々が何を求めているか?それを見据えて、更にその先にどう需要を見出せるか?技術の急速な進歩の陰には必ずこういった衰退と新興の歴史がありましたが、危機こそチャンスだという発想で言えば、厳しい時代である今こそが印刷業界のチャンスの時なのかもしれません。

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