Photoshopのレイヤー機能を巧みに使う

Photoshopの非常に重要な機能の一つに、レイヤー機能というものがあります。Photoshopの中心的な機能の一つと言ってよく、これなしでは画像修正の自由度は何十分の一まで小さくなってしまうでしょう。

まず「レイヤー機能」というものは何かということですが、その理屈自体は割と簡単です。写真(画像)の上に、何枚も透明なセルロイドを重ねる。そうイメージして下さい。この一枚一枚のセルロイドがレイヤーです。

例えばですが、風景の絵を描いたとします。しかし、太陽を書き忘れた。これを描き足すために絵そのものに絵の具を塗るのではなく、セルロイドを重ねて、その上に太陽を描く。そうすると、位置を失敗したと思えばセルロイドを動かせばいいし、太陽の絵そのものを失敗したと思えばまるごと捨てて、新しいセルロイドを置き、また描き直せばいい。もしこれができなかったら、太陽を描いた部分の上を青で乗り潰して青空にし、他の場所に描くということをしなければなりません。

こういう風に、元の画像に手を加えずにすむために、後の修正がはるかに簡単になるのです。レイヤーは個々が独立し、個々のレイヤーのみに手を加えられるということが、レイヤー機能の根幹です。

それから単に、独立しているだけではありません。その上下関係を入れ替えることもできます。上に乗っていたセルロイドを下に回すというイメージです。ある描画を一番上にしていたが、ちょっとうるさい。人物の背景に回してしまおう……ということもできるのです。

レイヤーとは、透明な紙のようなものです。レイヤーに書きたいものをパーツごとに分けて描いていきます。数枚のレイヤーが重なり、ひとつの絵が完成します。
では、実際に描いてみましょう。今回は「顔」を例にあげてみます。背景というレイヤーの上に新規レイヤーを追加します。レイヤーは右下「新規レイヤー」というマークをクリックして追加します。
まずは顔の輪郭を描きます。次にレイヤーを追加して顔の色をつけます。さらにレイヤーを追加して、目や鼻、口、眉、髪型、髪色などを描きます。今回は8枚のレイヤーで1つの顔が完成します。
レイヤーの利点として、ワンクリックで表示・非表示ができるので、顔や髪の色のレイヤーを非表示にして、レイヤーを追加し別の色で描くことによって色を変えることも簡単にできます。
また、最初の色は非表示にしただけなので、前の色のほうがよかったと思ったときには最初のレイヤーを表示し、追加した色レイヤーを非表示にすればいいのです。こうして見比べることができるのも、レイヤーの利点のひとつです。
レイヤーをパーツごとに描くことで、目だけを変更、髪型だけを変更といった部分的な変更も簡単にできます。作業中はなるべく細かくレイヤーを追加することをお勧めします。
そして、作業が完了した際、膨大な数のレイヤーをグループというファイルにまとめることができます。右下のグループというマークをクリックし、その中にまとめたいレイヤーをドラック&ドロップするだけです。次に作業する際にレイヤーを探しやすくなります。

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